2024-03-09
キーボード界
キーケットに行ってきた。
が、個人的には思ったほどの収穫がなかったのでエントリ化しない。
ここではキーボードの布教や仲間探しをするとき、この世界にまだ足を踏み入れていない人に説明するときの個人メモをまとめる。
世界観
だいたいの人間はキーボードは道具として扱い深い思い入れはないだろうが、少しでも「このキーボード使いにくいな…もっと使いやすいものはないか」と気になって買い替えを決めた瞬間、この世界への第一歩となる。
この項では「種族」>「流派」の粒度でまとめる。
既製品族
多くは既製品を買ってそのまま、あるいは少しカスタマイズして使う。
そのなかでもメインとなる嗜好パターンを列挙する。
有名ブランド派
流通が多くお値段手頃で手に入りやすいキーボードを使う。(故障が)多い日も安心である。
Logicool や Microsoft など。
高級ブランド派
価格が高めに設定された(だいたい 3 万円〜)、キーボード界の高級ブランドとされるものを使う。
HHKB や Realforce など。
ゲーミング派
PC ゲーム用途に特化したものはゲーミングキーボードと呼ばれ、とくに FPS での利用を念頭に置いたものが多い。
Razer や HyperX など。
イロモノ派
既製品は既製品でも見た目が派手だったりどうやって使うのか想像もつかない特殊な構造になっているものを好む。
歴史的には多く存在するが 2024 年現在では GrabShell などが注目されている。
自作族
キーケットでもフィーチャーされたが、個人制作のキーボードキットを購入して組み立てたり、自らデザインしたものを披露したりと、まさに工作の領域である。
ここでは自作とは「基盤」「ケース(外装)」「機構」「キー」「ファームウェア」の設計あるいは製造までを指す(キースイッチ/キーキャップの付け替えは自作に含まない)。
キット組み立て派
自作キーボードの未組立のキットを購入しはんだ付けをするなどしてユーザー自らが作ってから使う。
一部パーツを自身で 3D プリントしたり組み立て済みのものもあったりと工作のハードルに多少幅がある。
国内でのキット流通販売の先駆けは遊舎工房だろうか。
セミスクラッチ派
自作で組み立てたものをさらに自身で改造して使う。
自作キーボードのほか、既製品キーボードをもとに別物を作り上げる猛者もいる。
有線をワイヤレス化するなどもよく見かけるが、技適など法に触れる可能性もあるので注意すべし。
フルスクラッチ派
キーボード好きのキーボード好きによるキーボード好きのためのキーボード。
ワンオフの主人公機であるがゆえに故障時の対応やメンテナンスが大変。
キーボードの種類
キーボードの種類について、どこでその違いが出てくるのかを切り分ける。
キーボードタイプ
基本的にメカニカルのことにしか言及しないが、念のため一般的なキーボードの種類にも触れる。
メンブレン式
押したキーを戻す機構にシリコンやゴムのキャップを利用する機構を持つ。
パンタグラフ式
メンブレン式の亜種で、電車のパンタグラフのような、横から見たときに菱形になる支柱を使った構造。
ラップトップでよく採用されている。
メカニカル式
キー内部にスプリング構造を持ち、金属部分の接触により信号を送る構造を持つ(接点接触型)。
巷で話題になるキーボードは、このキー接触の構造部分がホットスワップ(付け替え)可能なメカニカルキーボードであることが多い。
静電容量無接点方式
メカニカル式の多くは接点接触型が多いが、それとは異なり電極部分の接触がなくてもキーの押し込みを認識する機構を持っているのが静電容量無接点型。
キー配列と分割型
言語によるキー配置
ISO や JIS など言語によりキー配置が異なるがキーの並びが QWERTY であることは共通。
基本的に自分の使う言語に合わせて買うのがよいが、キーの数が違ってくるのでより好みにあったものを選ぶのがよい。
分割型
キーボードのなかには本体が左右で物理的に分かれているなど特殊な形態のものもある。
そんなとき、キー配列はそのキーボードに準じたものになるため都度カスタマイズが必要になる。
特殊配列
キーボード界には QWERTY ではない特殊なキー配列を使う部族も存在する。
サイズ
キー数や本体サイズに応じて 100% 〜 40% の幅でさまざまなサイズのキーボードが存在する。
ここでは詳しく書かないが 65% サイズはとくに人気がある。
接続方式
有線接続
USB での接続に対応したもの。
最近ではケーブル部分のオシャレを考える人も多い。
無線接続
主流なものは以下の通り。
- Bluetooth 接続
- 2.4 GHz(専用ドングルなど)
キー
プロファイル
高さによってキースイッチ/キーキャップの規格が変わってくる。
基盤によって使えるプロファイルが限られるので、ホットスワップを考えるときには購入時点で確認が必要。
- 通常プロファイル(キーが高めのもの)
- ロープロファイル(キーが低めのもの)
キースイッチ
メカニカルキーボードのメインと言えるスイッチ構造部分。
キートラベルや荷重など各スペックに応じて多種多様なキースイッチが存在する。
情報量が多いので本記事では扱えないが別記事にする予定。
キーキャップ
さまざまな形状のものがあり、キースイッチに次いで使い心地に寄与する箇所でもある。